パンダはパンダなの

学術的にパンダをチベットだけに結びつける根拠が無いことについては、もう説明しない。
今回はそもそも論から。
そもそも、A(国)にもB(国)にも分布する野生の生き物を、今はAの方に多くが棲んでいるというだけで「Aの動物であってBの動物でない」と云う理屈は成立するかえ?成立するというのなら、残りのBに棲む生き物は、じゃあ何もんやねん?
こういう場合、「Aの動物」は勿論正解だが、「Bの動物」も正解。少なくともBにも生息しているから「Bの動物」を否定する根拠は無い。(もっとも動物にとってはAもBも無いのだが、まだそこには触れない。)
例えば日本の象徴といわれるトキに当てはめて考えてみると、
20世紀初頭は、中国、ロシア、朝鮮半島、台湾、日本など、東アジア一帯に広く分布

20世紀後半までに中国と日本を除き絶滅(乱獲と生息環境の悪化)

現在、野生種は中国陜西省洋県付近のみ。
ここでは当然中国がA(つまり殆どが生息している国)に相当し、「トキは中国(A)の動物」は正しい。ではBを日本に当てはめてみて「日本(B)の動物」は正しいか。
最初の一般モデルではBにも少しはいたが、トキの場合、B(日本)では野生種が一度絶滅し、現在野生で生息しているのは人工飼育からの放鳥(の成果)にすぎず、まだ完全復活とはいえない。だから「日本(B)の動物」は限りなく誤りに近い。
しかし、実際には日本の象徴と言われ、日本人の少なからずが日本の鳥だと思っている。また、それについて外国から抗議を受けたなんて聞いたことないし、まして「トキは中国固有の動物だ」なんて言説は聞いたことない。もしかすると私が知らないだけかもしれないので、もしそのような主張があるのならぜひ教えていただきたい。
そんなわけで、一度絶滅したトキですらこうなのだから、絶滅せずに野生の個体が中国にも生息しているパンダなら尚更である。それでも「日本のトキ」がよくて「中国のパンダ」が駄目というのなら、私には不合理としか思えない理由を納得のいくよう説明してもらいたい。

もう面倒くさいから結論書くぞ。

パンダはチベットの動物である。同時に、中国の動物でもある。しかし、それは人間の勝手な都合であって、パンダにとってはチベットも中国もない。パンダは人間の誰のものではないのだ。チベット問題は人間社会の問題であって、パンダとは無関係である。
「パンダ外交」を批判したけりゃどうぞご勝手に。でも、チベット問題をそこに絡めるな。それこそパンダの政治利用だ。

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